12月28日㈭。弊社は本日で仕事納め。社内の片付けもほぼほぼ終了。今はこうしてPCの前におります。
今年もお客様からたくさんのあたたかい御縁を賜り、そのおかげさまで充実した一年を過ごさせていただきました。御縁を賜りましたお客様はもちろんのこと、取引先の皆様、地域の皆様、弊社に関わってくださる全ての皆様へ心より深く感謝申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。会社の皆様への感謝も忘れてはいけません。今年は作業条件が芳しくない難所墓地での施工が続きました。さらに夏場は年々増す酷暑。例年以上に体への負担が大きかった一年かと思います。この年末年始のお休みにしっかりと体を休めていただければと考えています。会社の皆様。毎日本当にありがとうございます。
総括・・・・・書きやすくするためにカテゴリー分けしますか。
①新規建上
ここ福島県は地震県。巨大地震が二年連続で発生した影響は大きく、新しい石塔は背が高い昔ながらの和型が建つことは少なくなり、高さを抑えた洋型や和洋型(洋型以上和型未満の高さのもの)がほとんどとなりました。さらにその中でもデザイン性の強いものや装飾過多のものよりはシンプルなものが好まれる傾向を感じています。そしてシンプルな洋型・和洋型を選び、文字彫刻などで故人らしさやその御家らしさといった個性を出すという内容のお仕事が増えている印象です。ですので、文字彫刻の書体・大きさ・配置、花などの彫刻もあるのであればそれと文字のバランスなど、これからの石工は審美眼を持っていなければつとまらなくなるでしょう。そしてその審美眼を養い続ける必要があると考えています。果たして僕は?センスは良い方だという自負はある(笑)
②地震被害復旧・土砂災害復旧およびお墓のリフォーム
巨大地震が二年連続で発生したため、いまだに地震被害復旧は残っております。残りは石塔倒壊といった大きな被害のものはなく、各所のズレなどといった小さな被害のものがその多くです。被災後に「今後は被害が出ないように対応をお願いしたい」とお墓のリフォームの御依頼も立て込み、今現在も見積・打合せが続く日々です。また今年は地元共同墓地での土砂災害復旧に多くの時間を要しました。しかも真夏の酷暑の中。土砂災害が発生するくらいですから、やはり急勾配の傾斜地墓地。そのため施工条件は芳しくありません。そういった中でしたが、会社の皆様と一丸となってやり抜くことができました。会社としてレベルが一つ二つ上がったような経験ですね。また日々の施工の負担が大きかった分、完成後の達成感は格別です。これは石屋あるあるですかね。
残る復旧やお墓のリフォームそして新規建上などハイペースで進めていきたいところではあるのですが、弊社も人員や工事車両・機械類には限りがあり、施工班を2班にして2現場同時進行といった対応が叶わないのは心苦しいところ。人員を増やすべく求人に注力するものの、どういった職種でも人手不足の今、3Kの中でもさらに3Kである石材業。振り向いてくださる方はほぼいないと言えるでしょうか(涙)
失礼な言い方になってしまい恐縮ですが、被害が出てしまったお墓は僕にとって、高品質は施工を追い求めていく上で良い研究材料となります。東日本大震災・先の二年連続地震と現在までに3度巨大地震を経験していますので、その経験を活かしていくこれから先の施工は胸を張って「ご安心ください」と言えるものを御提供し続けていきます。
仕事始め以降も「任せて安心・間違いのない施工」をお客様にお届けしていく所存です。
③墓じまい
弊社においても年々受注数は増えております。詳しくは過去記事をどうぞ。
この冬は墓じまいの施工が続きます。 | 湊和也のMASON’S HIGH!! (minatokazuya.com)
墓じまいの工事費はお客様の想定を上回るケースが多い。 | 湊和也のMASON’S HIGH!! (minatokazuya.com)
僕達石工は心を込めて誠心誠意お墓をおつくりしています。ですので、正直なところ僕はお墓を撤去するお仕事はどこか寂しさを感じます。先日も5年前に新しく建てさせていただいたお墓の墓じまいが制約となりました。お客様にやむを得ない事情があるとはいえ、心血を注いだお墓が破砕処分となるのは非常に残念なことなのです。仕事始め以降、どういったペースで御相談があるでしょうか。墓じまいは残念なことではありますが、隣接するお墓に影響を与えずきれいに撤去を行うことができるのは、やはりお墓の構造を知る僕達石工以外にいないわけです。お客様に御安心いただけますように、墓じまいも真心込めてつとめ上げたいと考えております。
④まとめ
今までの石材店は石のプロ・墓地という狭所(小規模)土木工事のプロといった側面が強かったように思います。これからの時代はどうなのでしょうか。もちろん上記の側面は今後も必要なわけですが・・・・・。
御家族様に不幸があった後の埋葬。現在では御家のお墓に安置する以外にも、海洋散骨・ロッカー式納骨堂・永代供養墓などなど様々な埋葬方法が存在します。石屋の石頭ですと、従来のお墓以外の埋葬を頭ごなしに否定しがち。しかしこれからはそれぞれのメリット・デメリットを理解した上でお客様に的確にアドバイスできるポジショニングが大切になると考えています。例えば、従来のお墓にするか、もしくは直接永代供養墓に入るかを迷われている方に、この石は国産で良い石ですよ、弊社の施工は地震に強いですよといったお話をしても論点がズレてしまっています。石材店としては従来のお墓を建てていただきたい。であるならば、従来のお墓を持つことの良さや尊さをお客様に説かなくてはいけません。もちろんそこには説得力が必要です。そのためには供養や埋葬について研鑽を積んできた知識や経験が重要になってきます。やはり「学び」を続けていない石材店に先はないのかなと危機感を募らせています。
「一般の方々以上、お坊さん未満」
様々な埋葬が存在する現在。供養や埋葬さらには仏事に至るまで、このポジションに立ち続けることができるか。これがカギとなってくるでしょう。いやいや。既にそうなっておりますね。
僕が石材業界に入って22年。石材店の看板を掲げていればとりあえずお仕事に困らなかった時代はとうの昔に終わりました。商圏では淘汰も始まっています。目まぐるしく変化を続ける今の時代。お墓は時代を映す鏡とも言えます。それ故、石材業界も大きな変化の最中。来年はどういった動きがあるでしょうか。生き残りをかけて、僕は顔を上げて胸を張ってそして謙虚に歩みを続ける所存です。
この旨、年末年始のお墓参りで御先祖様にお伝えいたします。清々しい気持ちになります。どうぞ皆様。この年末年始はお墓参りへ。
この記事を書いた人
- 福島県二本松市小浜 ㈲ミナト石材 代表取締役社長。120年続く石屋の五代目です。お墓は「大切だった亡き御家族様の安らかな眠りを願う、残された御家族様の祈りの象徴」です。この私信を胸に、僕は人を想ってお墓をつくり続けます。・・・・・とまあ、お堅い自己紹介はここまで(笑)お酒大好き!!お祭大好き!!二人の娘を持つ石屋のおとっつぁんです!!最近は腕時計の収集に夢中~。と言っても高級品ではなくチープカシオね(笑)ブログは毎日更新しています。お墓づくりに不安のある方や疑問をお持ちの方の一助になれれば、僕にとってこの上ない喜びですっ!!
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